植物性プラセンタ
プラセンタというのは英語で「胎盤」という意味で、主にプラセンタといいうとこの胎盤から抽出したエキスのことを指します。
しかし、プラセンタには植物性のプラセンタもあるのです。プラセンタというのは「胎盤エキス」なのに、植物にも胎盤があるのか?と疑問に思う人もいるでしょう。植物にはヒトや動物のような胎盤はありませんが、いわゆる赤ちゃんの「卵」にあたるものが植物にもあります。これが植物では「種」に当たり、ヒトや動物のプラセンタ、つまり胎盤と同じような働きをすると言われています。植物性プラセンタにはヒトや動物のプラセンタと同じくアミノ酸などの栄養分が含まれています。
しかし、動物性のプラセンタと植物性のプラセンタの大きな違いは「成長因子」にあるのです。植物性のプラセンタにはこの「成長因子」が含まれていないため、プラセンタの最大の効果であるアンチエイジングや疲労回復効果がないのです。
植物性のプラセンタは動物性のプラセンタよりも飲みやすいと言われているので、美肌効果のみを目的としている場合は良いでしょう。しかし、医療目的やアンチエイジング、疲労回復効果に期待する場合はヒトや動物性のプラセンタを選ぶようにしましょう。
動物性プラセンタ
プラセンタには動物性と植物性がありますが、一般にプラセンタと言うと、動物性のプラセンタのことを指します。
「動物性プラセンタ」とひとことで言っても、この動物プラセンタの中にも種類があります。動物プラセンタというと、牛プラセンタ、豚プラセンタ、馬プラセンタがあります。しかし、牛プラセンタは狂牛病問題が発生して以来は使われていないプラセンタです。残りの馬プラセンタと豚プラセンタを比較してみると、馬プラセンタは豚プラセンタの約250倍ものアミノ酸を含んでいると言われています。
植物性プラセンタには、プラセンタの最大の特徴である「成長因子」が含まれていませんが、動物性プラセンタにはヒトから取れるプラセンタと同じく成長因子が含まれているため、ヒトの胎盤エキスから作られるプラセンタとほぼ同じ効果を発揮します。
豚(ブタ)プラセンタ
化粧品やサプリメントで多く使われるのがプラセンタです。人の組織とよく似ていることから、使われることが多いようです。狂牛病問題により牛(ウシ)プラセンタが使用できなくなり、豚プラセンタが主流となりました。一番多いのがこのブタ由来。価格がお手頃なものも魅力的です。でも、豚という動物は病気予防の為に多くのワクチンを投与されている場合があり、胎盤への影響は大きいはずです。
羊(ヒツジ)ププラセンタ
より自然の状態に近い環境で育った羊の方が安心できるという意味で、主にスイスやニュージーランドで育った羊のプラセンタが主流となっているようです。
サラブレット(ウマ)プラセンタ
馬のプラセンタは総アミノ酸の含有量が豊富です。豚は一回で約10頭生みますが、馬は1頭です。そのため総アミノ酸の含有量が豚のプラセンタの約250倍といわれており豚には含まれていない必須アミノ酸が6種類か含まれること、馬という動物自体が体温も高くその為、寄生虫などが少なく、抗生物質の投与などによる薬剤の影響を受けないという大きなメリットがあります。
サラブレッドが一般的に徹底した品質管理の下、良い環境で育てられており、血統もはっきりと分かっているのでサプリとしても安心することができます。
日本のサラブレッド数は、大体8,000~8,500頭くらい。その中でも胎盤を持っているのは2,000頭ほど。馬は人間と同じく1年に1度、1頭しか出産をしません。それゆえ、1年間に2回、複数頭の出産をする豚よりも非常に希少価値が高くなります。1頭のサラブレッドから採取できるプラセンタエキスはわずか3kgほど。しかも、馬は出産後に自身の胎盤を食べる習慣があるので、出産ごとに3kg分けてもらうという訳にはいきません。馬プラセンタは希少価値が高い上に安全性にも優れ、他の原料よりも栄養価がダントツに高いので、高価なものが多いです。
ヒトプラセンタ
2003年の薬事法改正によって、それまでOTC医薬品の原材料にもなっていたヒトプラセンタは、医療機関のみでの使用に制限されるようになりました。この処置の背景には、需要が急激に伸びたことによってプラセンタの不足や高騰が起こり、その一方で、少子化により供給の釣り合いが取れなくなり、混乱が生じるのを防ぐ意味合いもあったと言われています。
ヒト由来プラセンタ注射薬の原料であるヒト胎盤からの異常プリオン感染による変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)の危険性が理論上完全に否定できないため、過去にラエンネック、メルスモンの注射をした人にも献血を御遠慮いただいています。